地中海世界の歴史 4 辺境の王朝と英雄 ヘレニズム文明 講談社選書メチエ

本村凌二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065373576
ISBN 10 : 4065373573
フォーマット
出版社
発行年月
2024年10月
日本
追加情報
:
264p;19

内容詳細

ローマ史研究の第一人者が、古代地中海文明の全史を描く全8巻シリーズ、好評第4巻。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。
第4巻のテーマは、「ヘレニズム」。ギリシアの北方、マケドニアの王アレクサンドロスの東方遠征によってギリシア文化とオリエント文化が融合し、あらたな文明世界が創出される。著者・本村氏によれば、地中海世界4000年の歴史の中で「見過ごされがちだった重要な時代」であり、だからこそ、このシリーズの中で特に1冊を設けたかったという。
紀元前334年に東方遠征を開始したアレクサンドロスは、10年足らずのうちにペルシア帝国を滅ぼし、インダス川に達する大帝国を築く。このあらたな世界では、オリエント文化のギリシア化と同時に、ギリシア文化のオリエント化が起こり、そこに生まれた普遍的な文化は「ヘレニズム文明」と呼ぶべきものだった。ギリシア語が共通語として用いられ、それまで様々な言語によっていたオリエントの学問や思想がギリシア語で表現されるようになる。
また、ヘレニズムは、空前絶後の「宗教融合(シンクレティズム)」の時代であり、ギリシアやエジプトの神々が地中海世界の各地で信奉された。人類最初のグローバル化の時代に、「個人の救済」という契約を神に求める心性が現れ始めるのである。

目次
はじめに
第一章 声なき「高地の民」
1 マケドニアの軍事ルネサンス
2 デモステネスとアリストテレス
3 侵略か、防衛戦争か
4 ギリシア世界の覇者、フィリポス二世
第二章 希望の大王、東へ征く
1 アレクサンドロス伝説と「英雄の資質」
2 帝国ペルシアへの侵攻
3 テュロスからペルセポリスへ
4 世界の果てをめざして
第三章 後継者たちの戦いと均衡
1 帝国の中核――アンティゴノス朝マケドニア
2 ギリシア、インドに接す――セレウコス朝
3 エジプトの外来政権――プトレマイオス朝
4 ヘレニズム諸国の経済と都市
第四章 共通語は新しい神を生む
1 ローマの台頭とヘレニズム文明
2 思想と人間観の変容
3 救済者として現れる神
おわりに
参考文献
索引

【著者紹介】
本村凌二 : 1947年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。文学博士(西洋史学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授、早稲田大学国際教養学部特任教授を経て、東京大学名誉教授。おもな著書に『薄闇のローマ世界―嬰児遺棄と奴隷制』(東京大学出版会、サントリー学芸賞)、『馬の世界史』(中公文庫、JRA賞馬事文化賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    地中海の歴史の第4作目です。今回は前半がマケドニアのフィリポス二世とその息子のアレキサンドロスが中心でその大帝国を構築するまでの様子が克明に描かれています。後半は「共通語は新しい神を生む」ということで今でいう美術品が話題の中心となっていて私にとってはかなり興味深いものでした。

  • まえぞう さん

    シリーズ4冊目はヘレニズムです。アレクサンダー大王が中心ですが、父親のフィリポス、また大王死後の後継者についてもそれなりに突っ込んでいます。大王は、世界史の中でも有数な戦争の天才ですが、それ以外でも相当な人だったんですね。塩野さんのギリシャ人の物語では相当気合いが入っていたことを思い出しました。次巻からようやく著者の専門となるローマにはいっていきます。

  • ピオリーヌ さん

    2024年の刊。第四章「共通語は新しい神を生む」で一章を割いて心性史に言及しているのが、このシリーズを通しての特徴といえる。表紙写真のゼウスの左足断片はアイ・ハヌム遺跡出土のもの。今日のアフガニスタン北方国境地方にあったギリシア都市である。このアイ・ハヌム遺跡の出土品は2016年に『黄金のアフガニスタン展』として日本で展示され、私も東博に見に行った。黄金の眩い輝きが忘れられない。改めて行っておいて良かった展覧会である。ここのところ展覧会に行けていないがまた展覧会欲が再燃しそう。

  • ジュンジュン さん

    「これまでギリシア通史を扱った書物は数多くあるが、ヘレニズム史を一巻全体で扱った文献はほとんどなかったのではないか」(あとがきより)。まさに上記の理由で本書を手に取ったわけだが、大満足というわけにはいかなかった。求めていたのはアレクサンドロス死後からエジプト滅亡までの300年間。著者はこれを狭義のヘレニズム時代とし、マケドニアを含めた広義のヘレニズム時代を描く。結果、大王死去までで半分以上の紙数を費やすことに。でもセンセ、ギリシア史だけじゃなくアレクサンドロス本も数多くありますよね?

  • fseigojp さん

    ヘレニズム文明という意味がよくわかった

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人物・団体紹介

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本村凌二

1947年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学・西洋史学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授、早稲田大学国際教養学部特任教授を経て、東京大学名誉教授。おもな著書に『薄闇のローマ世界―嬰児遺棄と奴隷制』(東京大学出版会、サントリー学芸賞)

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